頭ではなく心で感じる

 

人工の織りなす五色の色彩は、
あまりにも極彩色で目が疲れる。
人工的な五声の声は、
あまりにもうるさすぎて
聞き取れない。
酸味・苦味・甘味・辛味・塩味の
五味をいっぺんに摂ると、
舌は麻痺して味がわからなくなる。

あまり欲張ってなんでもいっぺん
にやるから、なにがなんだか
わからなくなるんだ。

人の心だって同じだよ。
ギャンブルが遊びのうちはいいが、
とりこになったら身の破滅さ。
金儲けだって、あまりあこぎな
やり方だと、“守銭奴”といって
お金の奴隷になるのだ。

だから、
「道」の働きがわかっている人は、
見た目の欲ばかりに踊らされずに、
心で感じたものを大切にするんだ。

頭で考えるより、心で感じる。
とくに文明の拒食にごまかされて
いる人は、
もっと心の目を養わなくちゃ。

（引用元：『老子』より）

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