本当に偉大なものとは

 

本当に偉大なものというのは、
あまりにも大きすぎて見え
にくいが、いくら使っても
使い尽くせないものなんだ。

本当に充実しているものは、
一見、からっぽのように見えるが、
どんなに汲み出しても、
汲み出せるものじゃないね。

本当の意味で真っ直ぐなものは、
かえって曲がりくねったように見え、
本当の上手はかえって下手のように
見える。

同じように人の話し方でも、
本当の雄弁というのは、かえって
訥弁に聞こえてくるものなんだ。
べらべら話す人には真心がない
からね。

だから、
動き回れば寒さがしのげるように、
暑いときは静かにしていればいい
んだよ。
すべてはあるがまま、なすがまま、
それは柔軟に適応する心の問題だね。

世の中の間違いを正すのも、
下手な小細工をやめて、
清く澄んだ静かな心があれば、
上手くいくものだよ。

（引用元：『老子』より）

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