死っていうものに対して謙虚で。じたばたしてても、みっともなくても、それはそれで、子どもに受け継がせていくというような気持ちでいるの。
(ガン闘病をテーマにした報道番組に出演した際、自らの「死」に対する考えについて語る 2016年2月:『樹木希林120の遺言』より)
「いつかは死ぬ」じゃなくて「いつでも死ぬ」という感覚なんです。
(新聞の連載インタビューで、死について語る。 2018年5月:『樹木希林120の遺言』より)
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年を重ねるごとに力のあるいい顔になりたいんです。細胞が全く動かなくなり、心も全く執着がなくなるまでいきてみたいなぁと思うんです。そうなれば納得して死ねるんだけどなぁ。
(雑誌連載で画家・熊谷守一さんの死と自身の食生活へのこだわりについて綴った。 1977年8月:『樹木希林120の遺言』より)
若いころに死は非日常だったけれども、今は死ぬ側にいるということを、うそっぽくなく思える。
(医師・鎌田寛さんとの対談で、乳がんには再発が多く、完治までの道のりが長いという話を受けたとき。 2012年2月:『樹木希林120の遺言』より)
もっと人間はこう、自然の中で、あっという間に死ぬかもしれない、でまた誕生がある。そういうものじゃなかろうかという風に思ったら、もっと楽しく人生をやっていけるんじゃないかと思うね。
(「死なないためのことを考える人と、今を生きたいっていう人」について語った。 2013年4月:『樹木希林120の遺言』より)
老衰で亡くなっていくというのは最高のものなんだから。
(ナレーションを務めた映画『人生フルーツ』に出演していた津端英子さんとの対談で死について語った。 2017年1月:『樹木希林120の遺言』より)
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覚悟っていうのをすると気楽ですよ。
(乳がんが発覚し、自宅で会見を開いた時、記者の「自身にとっての健康法はあるか?」の質問に答える。 2005年1月:『樹木希林120の遺言』より)
終了するまでに美しくなりたい、という理想はあるのですよ。存在そのものが、人が見た時にはっと息を飲むような人間になりたい。形に出てくるものではなくて、心の器量ね。
(「私の夢見る大往生」がテーマの雑誌インタビューで、死について語った。 1996年9月:『樹木希林120の遺言』より)
死というものを日常にしてあげたいなと。子供たちに、孫たちに。そうすれば怖くなくなる。そうすれば人を大事にする。
(古舘伊知郎さんとのテレビ番組の対談で、映画『人生フルーツ』の話題から死について語った。 2017年8月:『樹木希林120の遺言』より)
長生きしたいと思うわけではないし、年を取るのはちっとも苦ではないんですよ。ただあたふたせずに、淡々と生きて淡々と死んでいきたいなぁと思うだけです。
(雑誌のインタビューで、興味を持っていることについて語る。 2002年8月:『樹木希林120の遺言』より)
死に向けて行う作業は、おわびですね。謝るのはお金がかからないから、ケチな私にピッタリなのよ。
(新聞の連載インタビューで乳がんの手術後、死を意識するようになってからの夫との関係を語る。 2009年2月:『樹木希林120の遺言』より)
やり残したことなんて、死んでみないとわからないですよ。
(映画『あん』公開時のインタビューで、作品のキャッチコピー「やり残したことは、ありませんか?」について語る。 2015年5月:『樹木希林120の遺言』より)
いまなら自信を持ってこう言えます。今日までの人生、上出来でございました。これにて、おいとまいたします。
(新聞の連載インタビューで、現在の心境について語る。 2018年5月:『樹木希林120の遺言』より)