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曽野綾子名言集(引退しない人生)

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曽野綾子名言集(引退しない人生)

余生という言葉があります。
あまり好きな言葉じゃあり
ません。

人生は最期の一秒まで貴方の
かけがえのない持ち時間です。

そう考えるとき、曽野綾子さん
の『引退しない人生』をそっと
紐解きたくなりました。

 

~『引退しない人生』以下、引用~

荷物を下ろす時

老年や晩年の知恵の中には
荷物を下ろすということが
ある。達成して荷を下ろす
だけではない。未完で、
答えが出ないまま、終着
地点でなくても荷物を
下ろす時がある。普通人間は
荷物を下ろす時には、必ず
その目的を達成し、地点を
見定めて下ろすものなのだが、
死を身近に控えれば、その
ような配慮はもう要らなく
なる。
そっと人目を避けて木陰で
荷物を下ろせば、爽やかな
微風がきっと私たちの汗ばん
だ肌をやさしく慰めてくれる
ものなのだ。

引用元:「晩年の美学を求めて」


 

冒険は老年の特権

年をとるということは
実にすばらしいことだ。
雑学も増える。少々危険な
所へ行っても、もうそろそろ
死んでもいい年なのだから、
自由な穏やかな気分でいら
れる。
冒険は青年や壮年のものでは
なく、老年の特権だという私
の持論はなかなか人には納得
されないが、私はおかげで
面白い生活をし続けている。

引用元:「自分の顔、相手の顔」

学んできたはず

学歴などなくても、
学校秀才でなくても、
高齢者は必ず、彼か彼女が
生きてきた年月だけ余計に
学んでいるはずだ。
学んだ分だけ、人は必ず
賢くなっているはずである。

引用元:「晩年の美学を求めて」


 

老年の自由

高齢者の自由というものは、
今、見落とされがちだが、
すばらしい輝きを帯びて
いる。もうひと仕事済まして
誰から何を言われようと
傷つくような年齢でもなく、
むしろ誰にでも深い尊敬と
感謝のできる下地ができて
いる。

引用元:「自分の顔、相手の顔」


 

密かな内的完成のために

まだ果たしていないこと
だが、私には年をとった
時の計画がある。それらは
すべて風光明媚な地方では
できないことで、できれば
都会の真っ只中にいてこそ
可能なものである。

それらはまず、実行が距離
や天候などに左右されず、
かつ、大した出費を伴わず
体力の衰えた老年でも一人で
できることでなければなら
ない。

私が最初に希望したことは、
毎日のように絵を見て歩こう
ということであった。
博物館、美術館もいいし、
画廊を見て歩くという手も
ある。
次に予算と体力に合わせて、
月に一、二回は芝居を見る。
そのお金がないときには、
裁判を膨張する。それこそ
お金をかけずにドラマを
楽しむ究極の方法である。

それからデパートを歩き、
盛り場で食事をするかお茶
を飲む。生きた町の姿と
物価に常に接しているため
である。

講演会、同好会なら、毎日
ないという日はない。
八十になって講演会を開いて
利口になって何になる、
ということはない。
老年というものは、密かな
内的完成のための時なのだ
から、都会にいれば、
いつでも、自由に、無理なく
目立たずにその機会を見つけ
られるのである。

引用元:「都会の幸福」

>>>別の「曽野綾子名言集」を読む

 

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