自分にはムリだと思うような役柄のオファーをもらった時ほど、演じたあとに掴むものは多い。
良い年したおっさんが夢見て何が悪い。町工場が夢見て何が悪いんだ。(佃)
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30代になって、意識を変えたんです。とにかく、いろんな仕事に自分から飛び込んでいきました。お話をいただいたものはすべて受けて、得意だろうが不得意だろうが、自分に合わないとか関係なく飛び込んで、現場からなにかを得て帰ろうとガムシャラにやってきましたね。最初はわからずに入っていきましたけれども、自分の中で固まっていくものが徐々にできてきたんです。
難しいからこそ、やる価値があるんだ。どんな難問にも、必ず答えはある。挑戦すれば、必ず答えは出せる。私はそう信じているんです。(佃)
「自分の仕事を好きになる」ことが、成功するための近道。
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自分の役は作品のクオリティを含めて、周囲と戦ってでも自分自身で守らなければいけない。
将来のイメージをそれほど明確には持っていません。ただ、自分より10歳ぐらい上の先輩の方たちのことはよく観察しています。そうした先輩方の役者としての情熱や立ち位置、仕事ぶりなどを見ながら、「10年後、自分はどうなっていたいか」をなんとなくイメージしています。
仕事っていうのは、2階建ての家みたいなもんだと思うんだよ。全体を支える一階部分は、飯を食ったり、生活するために、金を稼ぐためにある。だがそれだけじゃ窮屈だろ。だから夢を見るたための、2階部分が必要なんだ。夢だけじゃ家は潰れちまうが、飯だけ食えてもそんな家は狭くて退屈だろ。仕事には夢が必要なんだよ。(佃)
最近気がついたのは、演じている役に意外と引っ張られているんだな、ということ。自分では切り替えているつもりだったのですが、穏やかな役をやっているときは穏やかになるし、コミカルで毒舌な役のときは、普段もどうもそうなっているらしくて。よくしゃべる役をやっているときは、マネージャーにもやたらと話すしね(笑)。これは20年以上やっていて、自分でも初めてわかったことです。
甘い気持ちでモデルからこの世界に入ってきたからすぐに仕事がなくなって、7,8年芽が出なかった。だからそれ以来何でもやってきました。自分のイメージじゃない舞台もVシネマの濡れ場も楽しかったです。それを超えて次に進んで行こうという気持ちがずっと自分のなかにあって、この思いは絶対に忘れたくないものですね。
30代はがむしゃらにやってきた10年でした。40代は仕事も生活ももう少し落ち着いて、ひとつひとつ確かめながら進んできた感じです。それを踏まえて50代を迎えたわけですが、50歳になる前は怖かったですよ。やっぱり新しい10年を迎えるときは、怖いものですよね。20代後半、30代後半のときもそうだった。次の60代が来るまである意味無礼講だと勝手に思って、今までの経験をなりふり構わず作品にぶつけようと思ってます。楽しみながらね。