佐藤一斎
(さとう・いっさい)
1772年~1859年。
美濃国岩村藩出身の儒学者。
小にして学べば
荘にして為すことあり
荘にして学べば
老いて衰えず
老にして学べば
死して朽ちず
荘にして為すことあり
荘にして学べば
老いて衰えず
老にして学べば
死して朽ちず
【意味】
若い頃から学べば、壮年になって
大きなことを成し遂げることが
できる。壮年になってから学べば
年老いても衰えることなく活発に
生きることができる。年老いてから
学べば、死んだとしても不朽の評価
が得られる。
春風を以て人に接し、
秋霜以て自らつつしむ
秋霜以て自らつつしむ
【意味】
春風のように爽やかに温かく他人に
接し、自分には秋の霜のように
厳しく慎みの心を持つ。
一灯をさげて暗夜を行く。
暗夜を憂うなかれ、
一灯を頼め。
暗夜を憂うなかれ、
一灯を頼め。
【意味】
ひとつの灯りを提げて暗い夜道を
行く時、暗夜を嘆いても暗夜その
ものを変えることはできない。
われわれにできるのは、自分が手に
している一灯を頼りにして、
ひたすら前に進むことだけだ。
少年のときはまさに老成の
工夫を著すべし、
老成のときはまさに少年の
士気を存すべし。
工夫を著すべし、
老成のときはまさに少年の
士気を存すべし。
われまさに人の長所を見る
べし。人の短所を見るなかれ
べし。人の短所を見るなかれ
【意味】
人の短所を見ても自分の進歩には
何の役にも立たない。
しかし人の長所を見れば学ぶべき
点がわかり、また目標や励みにも
なるので、自分の進歩にも役立つ。
愚かな知恵者になるよりも、
利口な馬鹿者になれ。
利口な馬鹿者になれ。
愚か者の鈍さは
利口者の砥石です。
利口者の砥石です。
生はこれ死の始め、
死はこれ生の終わり。
生ぜざれば即ち死せず、
死せざれば即ち生ぜず。
死はこれ生の終わり。
生ぜざれば即ち死せず、
死せざれば即ち生ぜず。
人我に背くとも、
我人に背かず。
我人に背かず。
昨日を送りて今日を迎え、
今日を送りて明日を迎ふ。
人生百年、かくの如きに
過ぎず。
今日を送りて明日を迎ふ。
人生百年、かくの如きに
過ぎず。
老人の自らの養ふに四件有。
曰く和易、曰く自然、
曰く遺遥、曰く流動、
是れなり。諸々激烈の事
皆害有り。
曰く和易、曰く自然、
曰く遺遥、曰く流動、
是れなり。諸々激烈の事
皆害有り。
富人をうらやむこと勿れ。
かれ今の富は、安くんぞ
その後の貧を招かざるを
知らんや。
かれ今の富は、安くんぞ
その後の貧を招かざるを
知らんや。
【意味】
金持ちを羨んではいけない。今は
金持ちかもしれないが、将来没落し
貧しくなるかもしれない。貧しい人
を侮ってはいけない。今は貧乏かも
しれないが、将来財産を築くかも
しれないのだから。