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モームの名言と感想

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モームの名言と感想

モーム 

不幸が人間を美しくすると
いうのは嘘である。

幸福がそうすることは、
時にある。

だが、不幸は多くの場合、
人をケチな、執念深い人間に
するばかりだ。 

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【感想】

嫌いな言葉に
「若い時の苦労は買ってでもしろ」

がある。

苦労はしなくて済むならしない
ほうがいいに決まっている。

苦労したほうがいいとしつこい
人間は決まって苦労をしてきた
体験があるわけだけれども、
果たしてその苦労から何を学んだ
のだろうかといぶかしく思う。

苦労というのは歓迎されるもの
ではないはずで、もし不幸にも
苦労した経験をもったなら、苦労
をしないためにはどうすればいい
のかということについて、本来は
本気になるはず。

けれども苦労というのは、それが
本人にとって苦しいものであれば
あるほど、なぜか他人にもそれを
味わって欲しいという邪悪な考え
が浮かぶようで手に負えない。

漠然としているとわかりにくいから
具体的な例を挙げれば、

例えば目の前に左右に揺れ、いつ
落下するかもしれない不安定な
吊り橋があったとしよう。

ほかに向こう側に渡る手段がなく
仕方なく恐怖心と闘いながら一歩
一歩を踏み出し、右に左に大きく
揺れながら、生きた心地もしない
ままに無事渡り終えたとする。

苦労をしろというのは、この場合、
苦労して渡ったこの橋をお前も
渡れ! ということだ。

これは人としてどうなのか。
軍隊でもないのに、そんな恐怖を
何度も何人も味わう必要があるの
だろうか。

その先にどんな教訓をつかめと
いうのだろうか。

苦労をした人間がこのときする
ことは、同じ苦しみを次の人間に
バトンタッチすることじゃなく、
こんな恐ろしい橋を自分の知恵
でなんとか改善できないだろうか
ということではないのだろうか。

 

苦労した人間は苦労した話ばかり
したがり、それを乗り越えた自分
は一回りもふたまわりも大きく
なっているように錯覚している
場合がとても多い。

しかしながら本当に大きくなった
のは被害妄想だけで、人間として
本気で成長したのかどうかは
疑わしい。

by ザーゼン

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