食は飢渇をやめんためなれば、飢渇だにやみなば其上(そのうえ)にむさぼらず、ほしいままにすべからず。
人に三愚あり。我をほめ、子をほめ、妻をほむる、皆是(これ)愛におぼるる也(なり)。
わが身のあしきことを知らせ、過ちをいさむる人は、尊み、親しむべし。
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朝早く送るは、家の栄ゆる印なり。遅く送る家は衰えるものなり。
酒は微酔に飲み、花は半開に見る。
すべてに完璧を求めれば求めるほど、心は満たされず不満にさいなまれる。ここからいろいろな問題が起こってくるのだ。喜怒の時、耐えて事すべからず。喜びもやみ、怒りもやみ、常の心になりて後、事を行なうべし。
天下のこと、わが力に為し難きことはただ天に任せおくべし。その心を苦しむは愚なり。
よろづの事はそのはじめを正しくするにあり。
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疑いをひとに問うは、知を求める道なり。みずから心に道理を思うは、知をひらく本なり。
朋友の間、悪しきことならば面前に言うべし。陰にてそしるべからず。後ろめたく聞こゆ。前面にその過ちを責め、陰にてその善を褒むべし。
志を立てることは大いに高くすべし。小にして低ければ、小成に安んじて成就しがたし。天下第一等の人とならんと平生志すべし。
百病はみな気(き)より生ず。病とは気病むなり。ゆえに養生の道は気を調(ととの)ふるにあり。
人々は日々に飲食せざることなし。常に慎みて欲を越えざれば、過ごしやすくして病を生ぜず。古人、わざわいは口より出でて、病は口より入ると言えり。口の出し入れ常に慎むべし。
君子が財をみだりに用いずして惜しむは、人に益あることに財布を用いんがためなり。
体気弱く、飲食少なく、家に病多くして、短命ならんと思う人、かえって長生きする人多し。これ弱きをおそれて、つつしむによれり。
老後一日楽しまずして、虚しく過ごすは惜しむべし。老後の一日、千金にあたるべし。
天下のあらゆる民は、我と同じく天地の子なれば、みな我が兄弟なれば、もっと愛すべきこと言うにおよばず。
心を平にし、気を和やかにす。これ身を養い、徳を養うの工夫。
自分が幸せか不幸せかは天命に任せなさい。人のせいなどにするものではありません。