名言・格言・言葉の宝石箱

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杉良太郎の名言集

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杉良太郎の名言集

私は福祉を通じて芸能界では学べないことを学んだと思っています。真実の涙、心からの笑顔、拍手…音が違うんですね。人間にこんな拍手ができるのか、と。いくらお金を積んでも、真実の拍手を聞くことはできません。それを私は何度も味わわせてもらいました。


人間として、役者として、人生で大事なことを教えてくれたのが福祉活動だったのかもしれません。


どんな仕事にも苦労はありますが、人は報酬があれば動きます。つまり、お金をもらって働くのは当たり前のこと。一円も報酬をもらわないという、当たり前ではない道を私は選んだのです。これを辛抱できれば、どんなことにも耐えられて歌手になれると思ったのです。


芸能界は水が合わないな、と思いつつも続けています。


被災地で炊き出しのカレーの鍋をかきまぜていたときでした。リポーターがマイクを突き出し「それって売名ですか」と。だから「ハイ、売名です。あなたも売名したら?みんな助かるよ」と返しました。被災者がお皿を持って待っている状況です。リポーターも少し人生の勉強をしないといけないですね。


福祉やボランティアは、自らを犠牲にする行為なんです。被災地を目の当たりにしたら、押しつぶされそうな気持ちになります。でもそれは隠し、励まさなければならない。明るく振る舞わないといけない。感謝の言葉も求めちゃいけない。見返りを求めたら福祉は終わりですから。


ずっと後悔をしない人生を送ろうと思ってきました。山あり谷ありの人生だけど、振り返ったときに出発点が見えるような人生でありたい。


もう一度、人生を最初からやり直すとしたら、私はやはりハードな道を選んで歩むのではないかと思います。

(出典・『週刊朝日』3月8日号)

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