
人の心は花に似て、移ろい
易く浅ましく、しどけなき
こそたのみなれ。
易く浅ましく、しどけなき
こそたのみなれ。
仮名草子(かなぞうし)
出典『ぬれぼとけ』
【意味】
花の色が変わりやすいように人の心
も変わりやすくて当てにならない。
でもそれだからこそまた、その先
頼りにすることもできるもの。
【感想】
仲が良かったのに喧嘩をして
まったく口をきかない関係に
なることがある。
その一方で、ずっと口をきか
なかった二人がふとしたきっかけ
で急に仲良くなることもある。
喧嘩しっぱなしはないし、
仲が良いのが永遠に続くもの
でもないということは、儚い
反面、強みでもある。
どんな人でも人生のすべてを
記憶することができないよう
に、忘れるという恩恵を授か
っているもの。
頼りにならなかった人間が
いたなら失望するだけじゃなく、
頼りになるように変化する過程
を楽しむのもまた醍醐味だ。