名言・格言・言葉の宝石箱

昨日を越え、明日を掴み、今日を生きるあなたへ

曽野綾子名言集(引退しない人生)

PR

2015-04-27_145949


見る眼ができるのだが…

年齢を重ねるほどに私たちは
複雑な見方ができるように
なる。現実に人や人生を見る
眼はできるのだが、一方で
賢くなって自分の眼を信じ
なくもなるのである。

引用元:「晩年の美学を求めて」


 

歩く理由

夫はいつも渋谷まで
約十キロを歩いて行く。
電車賃片道百九十円を
倹約するためだと言う。
今日は二人で往復七百六十円
も払うと思うと胸が痛い、と
嬉しそうな顔で言う。
私は買い物嫌いな夫と
デパートを歩く趣味がない。
せっかく一緒に家を出たのに
本屋へ行くというのを幸い
渋谷駅で「お別れ」して一人
になる。夫は帰りは一駅手前
の自由が丘で降りて歩いた
そうだ。
一駅手前で降りると、
四十円安くなる。

ワーカホリックというのは
仕事病にかかった人のこと。
夫のはウォークホリックと
いう歩き病とケチの合併症。
私は沿線にケチな客を持つ
東急電鉄に深く同情して
いる。

引用元:「運命は均される」

 美しく生きるには

晩年に美しく生きている人
というのは、できればごく
自然に、それができなければ
歯を食いしばってでも、
一人で生きることを考えて
いる人である。

引用元:「晩年の美学を求めて」


 

誰にでもできる最後の芸術 

内心はどうあろうとも、
明るく生きてみせることは
誰にでもできる最後の芸術
だ。
地獄に引き込まれそうな
暗い顔をしてグチばかり言い
決して感謝をしない老人に
親切にすることは、相当心の
修行をした人でないとできに
くい面もある。優しくして
もらいたかったらまず自分が
明るく振る舞って見せること
だ。
下手な歌やコーラスを自分が
歌って誰かに聴いてもらい
たいために、老人ホームの
慰問をするグループがあると
いう。するとホームのおばあ
さんでしっかりした人が
「悪いですから聴いて
あげましょうよ」と言って
進んで聴衆になり、盛大な
拍手を惜しまないのだと
言う。私はせめてそういう
老人になりたいと思って
いる。

引用元:「晩年の美学を求めて」

老年だからできること 

許すということは、一際
英雄的な選択なのである。
だからそれは幼児や青年の
仕事ではない。多分実人生の
中で、老年、或いは心理的に
人生を生きてしまった特殊な
人たちだけが為し得ること
なのだろう、と思う。

引用元:「晩年の美学を求めて」

>>>別の「曽野綾子名言集」を読む

Return Top