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遠藤周作の言葉・名言集(出会いについて)

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遠藤周作の言葉・名言集(出会いについて)

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遠藤周作

1923〜1996 享年73歳
代表作「海と毒薬」「白い人」
「沈黙」「深い河」

  

人生とはふしぎだ。
人生では外見、偶然にみえる
ものにも、実は一つの意味が
あるのかもしれぬ

この人生で我々人間に偶然で
ないどんな結びつきがあるの
だろう。人生はもっと偶然と
いうやつが働いている

ある生死を決める法律規則が
定まっているならば、人は、
自分の運命をその法律、規則
に順応させて救うことができ
る。しかし、偶然だけには、
どうにも、立ち向かうことは
できぬ

人生には幾十回、出会っても
自分の心に何の痕跡も残さぬ
人がいる。しかしたった一度
の触れ合いでも生涯、その人
のことが忘れられぬような
相手もいる

一人の人間が他人の人生を
横切る。もし横切らねば
その人の人生の方向は別だっ
たかもしれぬ。そのような形
で我々は毎日生きている。
そしてそれに気がつかぬ。
人々が偶然とよぶこの
「もし」の背後に何かが
あるのではないか。
「もし」をひそかに作って
いるものがあるのではない
か。しかし、私にはまだ
それがわからない。そのこと
について考えた本を読んだ
ことさえない

俺には人生にそして人間に
どんな意味があるのか
わかっていない。ぐうたら
で、怠けもので自分を誤魔化
している。しかし人間が別の
人間の横を通り過ぎる時、
それはただ通り過ぎるだけで
はなく必ずある痕跡を残して
いくことだけはわかって
きた。もし俺がその横を通り
すぎなかったらその人たちは
別の人生を送れたかもしれぬ

 

 

ぼくは知らなかったのだ。
ぼくたちの人生では、他人に
対するどんな行為でも、太陽
の下で氷が溶けるように、
消えるのではないことを。
ぼくたちがその相手から
遠ざかり、全く思い出さない
ようになっても、ぼくらの
行為は、心のふかい奥底に
痕跡を残さずに消えないこと
を知らなかったのだ 

→遠藤周作の言葉・名言集(人生について)
→遠藤周作の言葉・名言集(孤独と不安)

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